
機械式駐車場の安全対策とは?機械式駐車場における主な事故例とともに解説!
機械式駐車場は、特に都市部において限られたスペースを有効活用するための便利な設備として普及が進んでいます。
しかし、機械を用いて車両を昇降・移動させる特性上、誤操作や整備不良が原因で事故が発生するリスクも伴います。
こうしたリスクを軽減するため、国土交通省は安全対策ガイドラインを策定し、関係者それぞれの役割と責任を明確にしています。
この記事では、機械式駐車場における主な事故例、国土交通省のガイドライン、管理者および利用者がとるべき安全対策について詳しく解説します。
機械式駐車場における主な事故例
機械式駐車場では、さまざまな事故が報告されています。例えば、挟まれ・巻き込まれ事故では、車両の入出庫時や装置が稼働している最中に人が装置内に入り込んでしまい、パレットや昇降機に挟まれるケースが発生します。
また、ワイヤーの切断や制御装置の誤作動により、パレット上の車両が落下し、大きな損害や人身事故につながることもあります。さらに、自動ゲートや扉のセンサーが正常に作動せず、車両や利用者に接触・衝突してしまう事故も報告されています。
加えて、利用者が操作手順を誤ったり、操作盤のスイッチを勘違いして押したりすることで、想定外の挙動が発生し、事故につながるケースもあります。
国土交通省の安全対策ガイドライン
ガイドライン策定の背景と目的
機械式駐車場の普及に伴い、利用者や整備作業員の死亡・重傷事故が相次いだことから、国土交通省は安全確保に向けたガイドラインを策定しました。
このガイドラインでは、機械式駐車場の設計・製造から設置・管理、さらには利用者が安全に使用するための対策までを包括的に示しています。その目的は、関係者それぞれが適切に役割を果たし、事故を未然に防ぐことにあります。
関係者(製造者、設置者、管理者、利用者)の役割と責任
製造者は、安全な構造・機能を備えた製品を設計・製造し、取扱説明書や警告表示を明確に示すことが求められます。
設置者は、安全基準を満たす設備を選定し、建築や電気設備の法令を遵守して工事を行う必要があります。
管理者は、日常点検や定期的なメンテナンス、安全教育の実施、トラブル発生時の対応マニュアル整備など、安全運営の責任を負います。
利用者は、正しい操作手順を守り、装置内への立ち入りを避けるとともに、異常やトラブルが発生した際には適切に報告することが求められます。
具体的な安全対策の内容
装置の設計・製造段階での安全対策
機械式駐車場の設計・製造段階では、センサー類を強化し、人や障害物を検知することで挟まれや衝突事故を防止します。
非常時に装置を停止させるための緊急停止装置を確実に作動させる設計とし、利用者が誤操作をしにくいように操作パネルや入口部分に注意喚起を明確に表示することも重要です。
設置・管理段階での安全対策
設置環境の適正化を図り、機械式駐車場が設置される建物との連結部分や安全柵、照明などを整備し、利用者が危険箇所に近づきにくい環境を作ります。
法令に基づく定期点検を実施し、不具合を早期に発見・修理する体制を整備することが求められます。
さらに、管理マニュアルを整備し、操作手順や緊急時の対応を明文化することで、管理者や利用者が迷わず行動できるようにします。
利用者への注意喚起と教育
操作方法をわかりやすく案内し、必要に応じて動画や音声を活用することが効果的です。
装置内への無断立ち入りを防止するために警告表示を行い、定期的に利用者へ周知することも重要です。
また、実際の事故事例を紹介し、利用者の危機意識を高めることで、安全な行動を促します。
管理者が講じるべき機械式駐車場の安全対策
定期的な点検・メンテナンスの重要性
機械式駐車場は、多数の可動部を持つ精密な設備であり、部品の劣化や摩耗が進むと事故につながるリスクが高まります。
そのため、法定点検を確実に実施し、消耗部品の定期交換など予防保全を意識することが必要です。
また、トラブルが発生した際に迅速な対応ができるよう、24時間対応可能な専門業者との契約を検討することも有効です。
安全装置の設置と機能確認
センサーや安全バーの定期的な整備を行い、確実に機能するかを確認することが必要です。非常停止ボタンが確実に作動するかをチェックし、利用者にも設置場所を周知します。
さらに、異常や危険を知らせる警告灯やブザーの動作確認も欠かせません。
利用者への安全教育と周知徹底
操作マニュアルを提供し、新しい入居者やテナント向けに定期的な説明会を実施することが効果的です。
また、安全上の注意点をポスターや掲示物として駐車場内に設置し、利用者の目に留まるようにすることで意識向上を図ります。
利用者が守るべき安全ルール
装置操作前の周囲確認
装置を操作する前に、装置内やその周辺に人がいないことを必ず確認し、安全を確保することが必要です。
また、パレットやレール上に障害物やゴミ、落下物がないかをチェックし、異常があれば管理者に報告することが求められます。
正しい操作手順の遵守
操作盤のボタンがどの動作を行うのかを事前にしっかりと把握し、誤操作を防ぐことが重要です。
さらに、誤操作や異常発生時にはすぐに装置を停止できるよう、緊急停止ボタンの位置や操作方法を理解しておくことが求められます。
また、装置の設定を勝手に変更したり、機能を解除したりする行為は重大な事故につながる恐れがあるため、厳禁とされています。
装置内への立ち入り禁止
装置が稼働している最中は、絶対に内部へ立ち入らないことが基本的な安全ルールです。特に、挟まれや巻き込まれ事故の危険が非常に高いため、厳重な注意が必要です。
また、駐車位置を確認する目的であっても、装置が完全に停止していない場合や管理者の許可がない場合には、車両収納スペースへ安易に出入りしないことが求められます。
まとめ
機械式駐車場は、都市部における駐車スペースの有効活用に貢献する一方で、人身事故や車両トラブルが発生するリスクも抱えています。
国土交通省の安全対策ガイドラインでは、製造者、設置者、管理者、利用者がそれぞれの役割を果たすことが求められており、安全管理の徹底が必要です。
管理者は定期点検やメンテナンス、安全装置の機能確認を行い、利用者は正しい操作手順を守ることで、事故リスクを最小限に抑え、安全で快適な駐車空間を維持していくことが重要です。
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